個人開発SaaSのユーザー獲得はどうやるの?
初期ユーザーの集め方を知りたい!
個人開発でSaaSを作ったものの、リリースしてもアクセスがまったく増えない。
そう悩んでいる方は少なくありません。
この記事では、個人開発SaaSのユーザー獲得方法について、リリース前の準備から実践的な7つの施策、陥りやすい失敗まで解説します。
結論から言うと、個人開発SaaSのユーザー獲得でまず効くのは、対象を一人に絞り込み、その一人に届く場所で発信を続けることです。
この記事でわかること
- 個人開発SaaSのユーザー獲得が難しい理由
- リリース前に準備しておきたいこと
- 実践的なユーザー獲得方法7つ
- 陥りやすい失敗と対策
個人開発SaaSのユーザー獲得が難しい理由
個人開発SaaSは、企業が開発するSaaSと比べてユーザー獲得のハードルが何段階も高くなります。
ここでは、以下の内容について詳しく解説します。
個人開発SaaSのユーザー獲得が難しい3つの理由
- そもそも見てもらう機会が圧倒的に少ない
- プロダクトを知っても使う理由が伝わらない
- マーケティングに割ける時間が慢性的に足りない
そもそも見てもらう機会が圧倒的に少ない
大手SaaS企業は広告予算をかけて認知を作れますが、個人開発SaaSにはその予算がありません。
頼れるのは自分の発信力だけなので、届く範囲はどうしても狭くなります。
加えて、リリース直後のサイトは検索エンジンにもまだ評価されておらず、検索経由の流入もほぼゼロからのスタートです。
つまり個人開発SaaSは、プロダクトの完成度以前に「見てもらえるかどうか」で最初のふるいにかけられます。
ポイント
個人開発SaaSは広告に頼れない分、発信の設計そのものがユーザー獲得の成否を左右します。
プロダクトを知っても使う理由が伝わらない
存在を知ってもらえたとしても、次のハードルは「なぜ自分がこれを使うべきか」を伝えることです。
課題設定があいまいなまま機能を並べただけの紹介では、誰のためのツールなのかが読み手に伝わりません。
人は機能そのものではなく、自分の悩みが解決するイメージが持てたときに初めて行動します。
さらに、実績や利用者の声がまだない段階では、初めて訪れた人はどうしても警戒心を持ちます。
この警戒心を解くための工夫がないまま告知だけを続けても、登録には結びつきにくいです。
ポイント
機能の説明より先に、誰のどんな悩みを解決するツールかを一文で言えるようにしておくことが大切です。
マーケティングに割ける時間が慢性的に足りない
個人開発では、開発と集客をひとりで両立させる必要があります。
優先順位を誤って開発ばかりに時間を使うと、リリースした頃には気力も時間も残っていないという状態に陥りがちです。
私自身、コンテンツマーケティングの支援に関わる中で、プロダクトは良いのに発信の習慣化ができておらず埋もれてしまう個人開発者を何人も見てきました。
発信を「気が向いたときにやること」ではなく「開発と同じ優先度のタスク」として扱えるかどうかが、初期の成果を大きく分けます。
💬 コラム
支援先の個人開発者を見ていて感じるのは、開発が得意な人ほど「機能を足せば使われる」と考えがちだということです。実際には、機能を足すより先に、誰に向けて何を発信するかを決めるほうが初期の反応につながっていました。
個人開発SaaSでリリース前に準備しておきたいこと
ユーザー獲得の施策は、リリース後にあわてて考えるより、リリース前から仕込んでおくほうがずっと成果が出やすくなります。
ここでは、以下の内容について詳しく解説します。
個人開発SaaSでリリース前にやっておきたい3つの準備
- ターゲットの悩みを一つに絞り込む
- ウェイトリストで見込みユーザーを集めておく
- 最初の10人に直接声をかける
ターゲットの悩みを一つに絞り込む
個人開発SaaSでもっとも避けたいのは、対象を広げすぎて誰にも刺さらない状態になることです。
「誰の」「どんな悩みを」解決するプロダクトなのかを一文で言えるところまで絞り込んでおくと、そのあとの発信や告知文がぶれなくなります。
ターゲットを絞るほど反応が薄くなるように感じるかもしれませんが、実際は逆です。
絞り込んだ相手にだけ強く刺さる言葉を選べるようになるため、少ない露出でも反応率が上がります。
アイデア自体がまだ固まっていない場合は、個人開発SaaSのアイデア見つけ方を参考に、解決したい悩みを先に一つ決めてから進めることをおすすめします。
ポイント
ターゲットを絞り込むほど、発信の言葉が具体的になり反応率が上がります。
ウェイトリストで見込みユーザーを集めておく
正式リリース前から、興味を持ってくれた人のメールアドレスを集めておくと、ローンチ当日に一斉告知できる母数ができます。
ゼロの状態からリリース後に告知を始めるより、あらかじめ関心のある人に届けるほうが初速がまったく違います。
「先行登録者限定の特典」を用意しておくと、登録のハードルが下がり、ウェイトリストが集まりやすくなります。
登録者には、開発の進捗を定期的に共有しておくと、リリース時の期待感も自然と高まります。
ウェイトリストの受け皿は、専用のツールを新しく契約しなくても、LPに埋め込んだ簡単なフォームやメール配信サービスの無料枠で十分に始められます。
最初の10人に直接声をかける
ウェイトリストと並行して、知人やSNSでつながりのある人に個別にメッセージを送り、最初の10人を直接集めることも欠かせません。
この10人には、使ってもらうだけでなく率直な感想や不満を聞かせてもらうことを目的にします。
数の多さより、率直な意見をくれる相手かどうかを優先して声をかけるのがコツです。
ここで満足してもらえた10人が、後の口コミや紹介の起点になります。

個人開発SaaSのユーザー獲得方法7選
準備が整ったら、実際に個人開発者が使っているユーザー獲得の施策を見ていきましょう。
集客の考え方を幅広く整理したい場合は個人開発SaaSのマーケティング方法もあわせて参考にしてください。
ここでは、そのなかでも「初期ユーザーの獲得」に絞って、優先度の高い7つの方法を紹介します。
個人開発SaaSのユーザー獲得方法7選
- Build in Publicで開発の過程を発信する
- Indie HackersやProduct Huntに投稿する
- ZennやQiitaで技術記事とセットで紹介する
- ニッチなキーワードでSEO記事を書き溜める
- 無料プランやトライアルで試すハードルを下げる
- 既存ユーザーに紹介や口コミを頼む
- コミュニティやSNSで継続的に価値を発信し続ける
【方法1】Build in Publicで開発の過程を発信する
Build in Publicとは、開発の裏側や意思決定の過程をX(旧Twitter)などで公開していく発信スタイルです。
完成した機能だけでなく、詰まった箇所や設計で悩んだ点まで共有すると、同じ立場の開発者から共感を集めやすくなります。
失敗談を隠さずに発信するアカウントほど、フォロワーとの距離が近くなる傾向があります。
開発の過程を追いかけてくれたフォロワーは、リリース時にそのままアーリーユーザーになってくれることが多いです。
【方法2】Indie HackersやProduct Huntに投稿する
Indie Hackersは個人開発者が集まる海外コミュニティで、プロダクトの紹介や収益の公開が活発に行われています。
Product Huntは新しいプロダクトを毎日ランキング形式で紹介するサービスで、ローンチ告知の場として個人開発者によく利用されています。
どちらも、投稿して終わりではなく、コメントへの返信を丁寧に続けることで信頼が積み上がっていきます。
初めての投稿でいきなり大きな反応を得るのは簡単ではないので、まずは継続的に露出する場のひとつとして捉えておくとよいです。
【方法3】ZennやQiitaで技術記事とセットで紹介する
ZennやQiitaは、開発ノウハウを共有する記事の中でプロダクトを自然に紹介できる場です。
読者はもともとエンジニアであることが多く、宣伝色の強い告知よりも、技術的な学びを含んだ記事のほうが受け入れられやすいです。
「この課題を解決するために作った」という文脈で紹介すると、記事の説得力とプロダクトの信頼性が同時に高まります。
技術記事としての価値がそのまま評価されれば、プロダクトへの信頼にも波及します。
記事の最後に一言添える程度でも十分で、宣伝を前面に出しすぎないほうが読み手には自然に届きます。
【方法4】ニッチなキーワードでSEO記事を書き溜める
「SaaSの作り方」のような競合の多いビッグワードではなく、自分が実際に解決した課題やエラーをテーマにした記事のほうが上位表示を狙いやすいです。
検索してたどり着く人は悩みがはっきりしているため、プロダクトへの誘導も自然に行えます。
SNSの発信は時間とともに流れていきますが、検索記事は資産として蓄積され、長期的な流入経路になります。
ポイント
ニッチなキーワードで書いた記事ほど、検索意図が明確な読者を集めやすくなります。
【方法5】無料プランやトライアルで試すハードルを下げる
個人開発SaaSは実績や口コミがまだ少ないため、いきなり有料登録を求めると離脱されやすくなります。
クレジットカード登録なしで試せる無料プランや、機能を絞ったトライアルを用意しておくと、試すこと自体のハードルが下がります。
試用後にそのまま有料プランへ進める導線を作っておかないと、体験だけで終わってしまう点には注意が必要です。
価格設計やプラン設計の考え方は個人開発SaaS収益化方法で詳しく解説しています。
ポイント
無料からの導線は「試して終わり」にせず、有料転換までを一つの流れとして設計しておきます。
【方法6】既存ユーザーに紹介や口コミを頼む
満足度の高いユーザーには、遠慮せずに紹介や口コミを直接お願いしてよいです。
紹介した側にも特典が届く仕組みを用意しておくと、依頼のハードルが下がり、口コミが生まれやすくなります。
第三者からの口コミは、新規ユーザーが最初に感じる警戒心を和らげる効果があります。
数十人規模のユーザーでも、満足度の高い一人からの紹介は次の一人につながる貴重な入口になります。
【方法7】コミュニティやSNSで継続的に価値を発信し続ける
ここまで紹介した6つの施策も、一度の告知で終わらせず発信を続けてこそ効果が積み上がってきます。
ノウハウや学びを継続的に発信しているアカウントほど、フォロワーからの信頼が積み上がっていきます。
信頼が積み上がった状態で新機能やアップデートを告知すると、初回の告知よりも反応が大きくなる傾向があります。
短期の告知よりも、半年・一年単位で発信を続けられる仕組みを作っておくことが、結果的に一番効率のよいユーザー獲得につながります。
更新の頻度は毎日である必要はなく、週に1回でも続けられるペースを先に決めておくほうが長続きします。

個人開発SaaSのユーザー獲得で陥りやすい失敗
施策を実行する前に、よくある失敗の型も押さえておきましょう。
ここでは、以下の内容について詳しく解説します。
個人開発SaaSのユーザー獲得で陥りやすい2つの失敗
- 全方位に発信して誰にも刺さらなくなる
- 獲得した後のフォローを怠ってしまう
全方位に発信して誰にも刺さらなくなる
複数のチャネルに手を出すこと自体は悪いことではありませんが、ターゲットを絞らないまま同時に手を広げると、どの発信も反応が薄くなりがちです。
チャネルを増やすほど一つひとつの発信にかけられる時間も減ってしまい、内容が薄くなるという悪循環も起こります。
まずは一つのチャネルで「この一人に刺す」という発信を作り、反応が確認できてから他のチャネルに広げるほうが結果的に近道です。
注意点
チャネルを同時に増やす前に、まずは一つのチャネルで反応が取れる発信を作りましょう。
獲得した後のフォローを怠ってしまう
登録やトライアルを開始してもらえた後、そのまま連絡を取らずに放置してしまうと、静かに離脱されてしまいます。
初期ユーザーの声を聞かずに開発を進めると、プロダクトの改善点にも気づけないまま時間だけが過ぎていきます。
登録直後のメッセージや、使い始めて数日後のフォローアップなど、連絡するタイミングをあらかじめ決めておくと対応漏れを防げます。
注意点
獲得したユーザーへのフォローアップは、思いつきではなくタイミングを決めて仕組み化しておきます。
個人開発SaaSのユーザー獲得に関するよくある質問
Q:個人開発SaaSの最初のユーザーは何人くらいを目指せばいいですか?
A:まずは率直な感想をくれる10人を目標にするとよいです。人数の多さよりも、フィードバックの質を重視して声をかけてみてください。
Q:個人開発SaaSのユーザー獲得に広告費はどれくらい必要ですか?
A:初期段階では広告費をかけなくても始められます。この記事で紹介した施策は、いずれも時間と発信の継続で成果を積み上げる方法です。
Q:SNSのフォロワーが少なくても個人開発SaaSのユーザー獲得はできますか?
A:できます。フォロワー数よりも、ターゲットを絞った発信を続けられるかどうかのほうが結果に影響します。
Q:個人開発SaaSのユーザー獲得はどれくらいの期間で成果が出ますか?
A:施策や分野によって差はありますが、SEO記事のように資産として積み上がる施策は数ヶ月単位で見ておくと現実的です。SNSでの発信は継続すること自体が成果につながっていきます。
Q:個人開発SaaSはtoB向けとtoC向けでユーザー獲得の方法を変えるべきですか?
A:変えたほうがよいです。toC向けはSNSでの発信や口コミが効きやすく、toB向けは技術記事や既存の業務コミュニティでの紹介のほうが反応を得やすい傾向があります。
まとめ
個人開発SaaSのユーザー獲得は、広告予算に頼れない分、ターゲットを絞り込んだ発信を地道に積み重ねることが土台になります。
7つの施策はどれも単発で終わらせず、続けるほど効果が積み上がる仕組みになっています。
今回紹介した7つの方法は、どれも今日から始められるものばかりです。
まずは自分のプロダクトに合いそうな一つを選び、最初の10人に直接声をかけるところから始めてみませんか。
その一歩が、半年後の口コミや紹介につながる最初の種になります。
個人開発によるAI搭載SaaSの始め方は、個人開発によるAI搭載SaaSの始め方|アイデアから法人化まで総まとめで全体の流れを整理していますので、あわせて確認してみてください。
