フリーランスエンジニアになったのはいいけれど、どうやって案件を取ればいいの?
営業が苦手でも、ちゃんと仕事を続けていけるか不安……。
そう感じている方は多いと思います。私も独立当初、「いい仕事をしていれば自然に案件は来るはず」と思っていましたが、現実はそうではありませんでした。フリーランスエンジニアにとって、営業は技術力と同じくらい重要なスキルです。
この記事では、エンジニアが苦手に感じやすい営業の正体から、すぐに試せる5つの方法、そして案件が途切れない仕組みの作り方まで、私の実体験をもとに解説します。
この記事でわかること
- フリーランスエンジニアが営業を苦手に感じる本当の理由
- 今日から試せる営業方法5選と各手法のメリット・デメリット
- エージェント・クラウドソーシングの主要サービス網羅比較
- 単発案件を継続・紹介に変えて「営業しなくていい状態」を作るコツ
フリーランスエンジニアが営業を苦手に感じる本当の理由
「技術力はあるのに、営業だけが苦手」というエンジニアは本当に多いです。でもその苦手意識、実は正体があります。一緒に掘り下げてみましょう。
ここでは、以下の内容について詳しく解説します。
エンジニアが営業を苦手に感じる理由と解決の視点
- 技術職特有の「売り込み」への抵抗感の正体
- 「売り込み型」と「信頼獲得型」の違いと、エンジニアに向く営業スタイル
技術職特有の「営業への抵抗感」の正体
エンジニアが営業を苦手に感じる理由で一番多いのは、「自分を売り込む」という行為への心理的な抵抗感です。
これは決して弱さではなく、構造的な話です。エンジニアは日頃、コードや設計の質で評価される世界にいます。「成果物が良ければ認められる」という経験を積み重ねているので、「自分からアピールする」行為が違和感として残るんですよね。私もまったく同じでした。
私が独立したときも「良い仕事をしていれば、口コミで広がるはず」と思っていました。でも現実は違いました。仕事がある間は問題ない、でも案件が終わると次が見えないという状況に何度か陥りました。半年後には「このままでは収入が止まる」という焦りを感じるようになりました。
フリーランスの仕事獲得経路を調べると、最も多いのは「人脈(知人の紹介含む)」で全体の7割以上を占めています。これは「営業しなくていい」という意味ではなく、信頼関係の積み上げが最大の営業であるということです。つまり「営業が苦手」と感じているエンジニアでも、やり方次第で十分に案件を獲得できます。
ポイント
エンジニアの苦手意識の正体は「売り込み型の営業」への抵抗感。でも実は、エンジニアに向いている「信頼獲得型の営業」を選べば、苦手意識は自然と薄れていきます。
「売り込み型」と「信頼獲得型」の違い
営業スタイルには大きく2種類あります。エンジニアがどちらに向いているかを理解するだけで、取り組み方が大きく変わります。
- 売り込み型:DMや提案書を大量送付して反応をもらう方法。即効性はあるが、拒否感も生まれやすい
- 信頼獲得型:発信・実績公開・コミュニティ活動を通じて信頼を積み上げる方法。時間はかかるが持続性が高い
エンジニアに向いているのは圧倒的に「信頼獲得型」です。GitHubに丁寧なコードを公開する、技術ブログを書く、勉強会で登壇する——これらはすべて、「この人はちゃんとした技術者だ」という信頼を積み上げる行為です。
売り込み型が「今すぐ反応をもらう」のに対して、信頼獲得型は「後から仕事が来る状態を作る」感覚に近いです。即効性はありませんが、一度仕組みができると案件が自然に集まるようになります。私はこちらのスタイルが性に合っていて、今では営業活動に費やす時間はかなり少なくなりました。
注意点
信頼獲得型は時間がかかります。独立直後や収入が不安定な時期は、エージェントやクラウドソーシングを並行して使うことが必要です。どちらか一方に絞り込まず、状況に応じて使い分けましょう。
フリーランスエンジニアの営業方法5選
では実際に、フリーランスエンジニアが使える営業方法を5つ見ていきましょう。それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分の状況に合ったものを選んでみてください。
ここでは、以下の内容について詳しく解説します。
フリーランスエンジニアに効く営業方法5選
- 【方法1】人脈・前職からの紹介
- 【方法2】フリーランスエージェントを活用する
- 【方法3】クラウドソーシングで実績を積む
- 【方法4】SNS・GitHubで技術発信をする
- 【方法5】エンジニアコミュニティに参加する

【方法1】人脈・前職からの紹介
独立初期に最も即効性が高い方法です。前職の同僚・上司・取引先に「独立したので仕事があれば声をかけてほしい」と伝えるだけでも、最初の案件につながることがあります。
私も独立したとき、最初の案件は元同僚の紹介でした。技術力はお互いわかっているので、信頼構築のコストがかかりません。ゼロから関係を作る必要がないのが、人脈営業の最大の強みです。
声のかけ方は「LINEやSlackで一言送る」が最もシンプルです。
「独立してフリーランスエンジニアとして活動を始めました。
○○(スキル・得意領域)を中心に開発・改善の案件を受けています。
何かお声がけいただけると嬉しいです。」
ポイントは「できることを一言で明確に伝える」こと。「何でもやります」より「React/TypeScriptを使ったフロントエンド開発が得意です」のほうが、相手が紹介しやすくなります。声をかけた全員から反応があるわけではないですが、10人に連絡して1人がつながれば十分です。遠慮せずに連絡を取ってみましょう。
また、繋がりが一方通行にならないよう、「この人に連絡するのは久しぶりだな」と感じる人には、独立報告だけでなく近況を聞く一言を添えると自然な会話になります。
ポイント
人脈営業は「今の自分が何をできるか」を整理してから始めると効果的です。「できること+具体的な実績」を一文で言えるように準備してから連絡しましょう。
【方法2】フリーランスエージェントを活用する
フリーランスエージェントは、エンジニアと企業をマッチングしてくれるサービスです。案件探し・単価交渉・契約手続きをすべて代行してくれるため、営業が苦手な方に特に向いています。まずは代表的な5サービスをまとめました。
| サービス名 | 特徴 | 向いている人 | マージン |
|---|---|---|---|
| レバテックフリーランス | 業界最大手。大手企業との直請け案件が多く、高単価案件を幅広く保有。IT・Web系全領域に対応。フリーランスエージェントAWARD 2026 GOLD受賞 | 単価を最大化したい・実績がある中〜上級者 | 非公開 |
| Midworks(ミッドワークス) | 給与保証制度あり(案件空白期に月額単価の60%を保障)。健康保険補助や各種手当など正社員並みの福利厚生が充実 | 独立初期・収入の安定を優先したい方 | 非公開 |
| クラウドテック | 週2〜・フルリモート案件に特に強い。副業感覚から始めたい方や複数案件の掛け持ちにも対応。エンジニア・デザイナー向け | 週2〜3日のリモート案件を探したい方 | 非公開 |
| PE-BANK | マージン率(分配率)を公開。初回は15%から始まり受取回数に応じて段階的に低下し最終的に10%まで下がる。確定申告サポートや福利厚生も手厚い | 手数料を抑えて収入を最大化したい方 | 10〜15%(段階的に低下) |
| ギークスジョブ | リモートワーク案件に強く、週3〜4日の柔軟な案件が豊富。キャリア相談・スキルアップ支援が充実。ITフリーランス専門 | リモート×週3〜4日の柔軟な働き方を求める方 | 非公開 |
注意点
マージン率を非公開にしているエージェントが多いですが、複数社に同時登録して提示単価を比較することで実質的なコストを確認できます。登録は無料なので、まずは2〜3社に登録して比較することをおすすめします。
エージェントを使う最大のメリットは、自分では探せない非公開案件にアクセスできることです。高単価案件の多くは公開されておらず、エージェント経由でないと知れない案件が少なくありません。また、単価交渉もエージェントが代わりに行ってくれるため、「いくら請求していいかわからない」という悩みも解消されます。
デメリットはマージン(手数料)が発生することです。一般的に報酬額の10〜30%がエージェントの取り分になります。ただし、それを差し引いても自分で営業するより高い単価を実現できるケースも多く、時間コストを考えると十分にメリットがあります。エージェント活用の詳細なメリットはフリーランスエージェントのメリット7つもあわせて読んでみてください。
注意したいのは、1社だけに登録するのはリスクがあること。2〜3社に同時登録して案件の幅を広げるのが基本です。サービスごとに得意な案件の傾向が違うため、複数のエージェントを比較しながら使うと選択肢が広がります。
【方法3】クラウドソーシングで実績を積む
クラウドソーシングは、クラウドワークスやランサーズのようなプラットフォームで仕事を受注する方法です。実績がゼロの状態でも案件に提案できるため、独立直後に使いやすいのが特徴です。まずは国内2大サービスを比較しました。
| サービス名 | 登録者数 | 案件カテゴリ | 手数料(受注者) | 特徴・向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| クラウドワークス | 600万人以上 | 250種類以上・公開案件約37万件 | 5〜20%(報酬額に応じて逓減。高額になるほど低率) | 日本最大級のクラウドソーシング。案件数が多く初心者でも応募しやすい。システム開発・アプリ開発・Web制作など幅広く対応 |
| ランサーズ | 非公開 | 350種類以上 | 16.5%(一律) | 利用者1人あたりの受注額がクラウドワークスより高め。スキルレベルの高い専門的な案件・発注者が多い傾向。単価重視の方に |
手数料だけで比較すると、報酬が10万円を超えるとクラウドワークスのほうが安くなります。一方で、ランサーズは発注者の質が高めの傾向があるため、クラウドワークスで案件数・実績を確保しながら、ランサーズで単価の高い案件を狙う使い方が効果的です。
ただし、注意点があります。クラウドソーシングは競争率が高く、単価が低めになりがちです。私の実感では、「実績と評価を作る場所」として使うのが正解で、そこで得た評価・実績をもとにエージェントや直接営業に切り替えていくのがいい流れです。ずっとクラウドソーシングだけで稼ごうとすると、単価の壁にぶつかりやすいです。
提案文を書くときのコツは「自分が解決できる課題を数字で示す」ことです。「Webサイトの表示速度を30%改善した実績があります」「Laravelでの受発注管理システムを3ヶ月で開発した経験があります」のように具体的に書くと、選ばれやすくなります。
目的別のサービス選び方
- 独立直後・実績が少ない:クラウドソーシングで実績を積みながら、Midworksで安定した案件を確保するのが王道
- 実績がある・単価を上げたい:レバテックフリーランスでの高単価案件獲得が最短ルート(単価の上げ方はこちらも参考に)
- 手数料を最小化したい:PE-BANKはマージン率が10〜15%(受取回数に応じて段階的に低下)で業界最低水準。かつ率を公開しているため透明性が高い
- 週3〜4日・リモートで柔軟に働きたい:クラウドテックまたはギークスジョブが柔軟な案件を多く持つ
- 副業エンジニアから始めたい:クラウドテックの週2〜案件、またはクラウドソーシングが低リスクで試しやすい
最終的にはエージェント2〜3社+クラウドソーシング1〜2社を組み合わせるのが現実的な構成です。1つのサービスに依存すると、その傾向に縛られてしまいます。
【方法4】SNS・GitHubで技術発信をする
エンジニアらしい「信頼獲得型」営業の代表格です。X(旧Twitter)やGitHubで技術発信を続けることで、見えない場所で信頼が積み上がり、後からオファーが来るという状態を作れます。
即効性はありません。でも、一度この状態ができると案件が途切れにくくなります。私が実感しているのは、「フォロワー数より質」です。1,000人のフォロワーを持つより、自分の得意領域に関心を持つ100人にしっかり届けるほうが、仕事につながりやすいです。
- X(旧Twitter):技術的なTipsや学んだことを気軽に発信できる。リプライで繋がりが生まれやすく、認知のスピードが早い
- GitHub:ポートフォリオとして機能する。コードの質そのものがアピールになり、採用担当やクライアントが直接確認できる
- 技術ブログ(Zenn・Qiita等):詳細な解説記事は長く読まれる。検索流入でも認知が広がり、時間が経っても資産になる
3つすべてを同時に始める必要はないです。まず1つに絞って習慣化するのが現実的です。続けることが難しい場合は、週1本のZenn記事でも、月5本のXポストでも十分です。「量より継続」が鍵です。
【方法5】エンジニアコミュニティ・勉強会に参加する
勉強会やコミュニティへの参加は、「人脈」と「信頼獲得」を同時に進められる方法です。connpassやMeetupで技術系イベントを探すと、毎週のように開催されています。オンライン・オフライン問わず気軽に参加できるものから始めてみましょう。
参加するだけでも繋がりが生まれますが、LTや登壇まで踏み込むと一気に認知が広がります。「あの発表をした人」として覚えてもらえると、後から仕事の話になることがあります。私も勉強会での繋がりがきっかけで複数の案件につながった経験があり、あのとき登壇してよかったと感じています。
オンラインコミュニティ(Discord・Slack系)への参加も有効です。質問に丁寧に答えたり、知見をシェアしたりしているうちに「この人は信頼できる」という印象が自然についてきます。コミュニティでの発言量が多いほど認知されやすく、案件の相談を持ちかけられることも増えていきます。
ポイント
5つの方法はどれか1つだけを選ぶものではありません。独立初期は「人脈+エージェント」、安定してきたら「SNS発信+コミュニティ」を加えて仕組み化していく流れがおすすめです。
フリーランスエンジニアが「また頼みたい」と思われる関係の作り方
営業の最終ゴールは「新規案件を取り続けること」ではなく、「紹介と継続案件で仕事が回る状態を作ること」です。ここがわかると、営業に費やすエネルギーが大幅に減ります。
ここでは、以下の内容について詳しく解説します。
案件が途切れない関係を作るための2つの軸
- 単発案件を継続に変えるコミュニケーション術
- 紹介が生まれる信頼構築のルーティン

単発案件を継続に変えるコミュニケーション術
単発で終わってしまう案件には、共通のパターンがあります。それは「納品して終わり」になっていることです。技術的には問題なくても、「次もお願いしたい」と思ってもらえる関係が作れていないと、継続にはつながりません。
継続につながる関係を作るには、以下の3つの習慣が効きます。
- 進捗の見える化:週1回でも「今週やったこと・来週やること」を共有する。クライアントが「何が起きているかわからない」状態は不安につながるため、短い報告でも価値がある
- 納期より少し早く完成させる:「余裕がある人」という印象が次の依頼につながりやすい。ギリギリ納品より「少し早く来た」ほうが記憶に残る
- 課題を提案できる関係になる:「このページ、こうすればもっと使いやすくなります」という一言が次の案件の入口になる。依頼されたことをこなすだけでなく、気づきを共有する習慣を持つ
私が実感しているのは、「次の案件につながる仕事の終わり方をデザインする」という感覚です。納品時に「もし次に何か機会があれば、ぜひまた声をかけてください」と自然に伝えるだけで、継続率はかなり変わります。これ、やってみると本当に効きます。
ポイント
継続案件が1つ増えると、新規営業に使うエネルギーを1つ分減らせます。「今の仕事を丁寧にやること」が最大の営業活動になります。
紹介が生まれる信頼構築のルーティン
紹介が生まれる条件は、「この人に頼んで良かった」という体験の積み重ねです。逆に言えば、紹介は仕事の質だけでなく、関係性の質からも生まれるんですよね。良い仕事をしていても、存在を忘れられていたら紹介は来ません。
私が意識しているのは「月1〜2回の近況連絡」です。既存のクライアントや一緒に仕事をしたエンジニアに、「最近こんな案件をやってます」「こういう技術を試していて面白かったです」を短く伝えるだけです。ポイントは営業色を出さないこと。相手に「この人今何してるんだろう」と思われる前に、自然に存在を認識してもらう感覚で十分です。
また、人を紹介できる関係になることも重要です。自分だけが紹介してもらう一方通行ではなく、「いいエンジニア知ってる?」と聞かれたときに誰かを紹介できる存在になると、ネットワーク内での立場が変わってきます。紹介できる人が周りにいるということは、自分の信頼性の証明にもなります。
営業活動そのものをAIで効率化する方法については、フリーランスの営業をAIで自動化する5ステップ実践ガイドも参考にしてみてください。提案文の作成や進捗報告の文面作成をAIに任せることで、営業に使う時間をさらに減らせます。
フリーランスエンジニアの営業に関するよくある質問
Q:フリーランスエンジニアは自分で営業しないといけないの?
A:必ずしもそうではありません。フリーランスエージェントを使えば、案件探しや単価交渉をすべて代行してもらえます。ただし、エージェントに頼りきりだけでは安定しにくいため、自分でも人脈や発信を通じた関係づくりを並行することで、案件が途切れるリスクを下げられます。
Q:独立直後はどの方法から始めるのがいい?
A:まず「人脈(前職の繋がりへの声かけ)」と「フリーランスエージェント(2〜3社登録)」の組み合わせがおすすめです。実績がない状態でも動きやすく、収入の安定化が早いです。独立準備から案件獲得までの全体の流れは、フリーランスエンジニアの始め方もあわせて読んでみてください。
Q:営業活動にはどのくらいの時間を使えばいい?
A:独立初期は週5〜10時間程度が目安です。案件が安定してきたら継続・紹介の比率が上がるため、週1〜2時間程度に減っていきます。信頼獲得型の営業(発信・コミュニティ)を続けていると、「気づいたら営業してなくても案件が来ている」状態に近づいていきます。
まとめ
フリーランスエンジニアの営業は、「売り込み」である必要はありません。エンジニアらしい強みを活かした「信頼獲得型」の営業スタイルを選べば、苦手意識を感じながら無理に動く必要はなくなります。
今日からできることを一つ選ぶなら、「前職の知人に連絡する」か「フリーランスエージェントに2〜3社登録する」のどちらかがおすすめです。5つの方法すべてを同時に始める必要はなく、自分の状況に合ったものから少しずつ試していけば十分です。
案件が途切れない仕組みは、一朝一夕にはできません。でも毎回の仕事を丁寧にこなしながら人間関係を積み上げていくと、気づいたときには「営業しなくていい状態」に近づいています。あなたは今日、どの方法から試してみますか?
