AIを使ったコードレビューの使い方がわからない……。
自分の書いたコードを、AIにちゃんとチェックしてもらいたい!
AIにコードを書いてもらう機会は増えましたが、書いてもらったコードをそのまま使っている方も多いと思います。
実は、AIは「書く」だけでなく「レビューする」道具としても、かなり優秀です。
コードの読みやすさも、以前よりずっと意識するようになったと感じています。
この記事では、AIコードレビューの使い方を3つのステップに分けて、実際に使えるプロンプト例と一緒に解説します。
この記事でわかること
- AIコードレビューでできること・得意分野
- AIコードレビューの基本の使い方【3ステップ】
- 目的別に使えるプロンプト例5つ
- AIコードレビューを使うときの注意点
AIコードレビューとは?できることと得意分野
AIコードレビューがどんなものか知らないままだと、過信しすぎたり、逆にまったく使わずに終わったりしがちです。
ここでは、以下の内容について詳しく解説します。
AIコードレビューでできること
- 静的解析ツールと生成AIによるレビューの違い
- AIと人間、それぞれが得意なレビュー領域
AIコードレビューの仕組み(静的解析ツールと生成AIの違い)
AIコードレビューと一口に言っても、仕組みは大きく2つに分かれます。
1つは、ESLintやSonarQubeのような静的解析ツールです。
あらかじめ決められたルールにコードが違反していないかを、機械的にチェックする仕組みになっています。
もう1つは、ChatGPTやClaudeのような生成AIにコードを渡して、自然言語で指摘やアドバイスをもらう方法です。
静的解析ツールはルール違反を見逃さない正確さが強みですが、なぜそのルールが必要かまでは教えてくれません。
一方、生成AIは理由まで含めて説明してくれる反面、指摘の一貫性は静的解析ツールほど高くありません。
この記事では、後者の生成AIを使ったレビューの使い方を中心に解説していきます。
AIにコードを書いてもらう段階からレビューを意識したい方は、AIコード生成の使い方もあわせて参考にしてください。
人間のレビューとの役割分担
AIコードレビューを使い始めると、人間のレビューは不要になるのではと思う方もいるかもしれません。
ただ、実際に使ってみると、AIと人間では得意な指摘の種類がはっきり分かれていることに気づきます。
AIが得意なのは、命名の一貫性やインデント、よくあるミスの類型といった型が決まっている指摘です。
逆に、「このロジックはビジネス要件に合っているか」といった文脈判断は、まだ人間の役割として残っています。
私も、AIには一次チェックを任せて、設計の妥当性は自分で最終判断する、という分担で運用しています。
AIが出したコードそのものを読み解く力も必要になります。
自信がない方は生成AIコードの読み方から先に押さえておくとスムーズです。
ポイント
AIには一次チェックを、人間には設計判断を任せる分担が、いまのところ一番バランスがいいと感じています。
AIコードレビューの基本の使い方【3ステップ】
ここからは、実際にAIへコードをレビューしてもらうときの手順を解説します。

【ステップ1】コードとレビューしてほしい観点を渡す
最初のステップは、レビューしてほしいコードと一緒に、何を見てほしいかを伝えることです。
コードだけを渡して「レビューして」と言うと、AIは当たり障りのない一般論しか返してきません。
以下のPythonコードをレビューしてください。
特に「可読性」と「エラー処理の漏れ」の観点で、問題があれば指摘してください。
[ここにコードを貼り付け]
観点を1つか2つに絞るだけで、指摘の的中率がぐっと上がります。
「何を見てほしいか」を先に伝える、このひと手間が、AIコードレビューの質を大きく左右します。
ポイント
観点を絞らずに丸投げすると、AIも無難な指摘しか返せません。可読性・パフォーマンス・セキュリティなど、見てほしい軸を先に伝えてください。
【ステップ2】AIの指摘を読み解き優先順位をつける
AIからの指摘が返ってきたら、すべてを鵜呑みにせず、まず優先順位をつけます。
AIは指摘の数を多く出す傾向があります。
些細な指摘と致命的な指摘が、同じ重みで並んで返ってくることも少なくありません。
私はいつも、バグにつながる指摘・可読性の指摘・好みレベルの指摘の3段階に仕分けしてから対応しています。
バグにつながる指摘から着手するのが、限られた時間の中では現実的です。
優先順位に迷ったら、「この指摘の中で最も重要な3つはどれですか」とAIに聞き返すのも効果的です。
注意点
AIの指摘はすべて同じ重要度に見えるように書かれがちです。数の多さに圧倒されず、まず致命的な指摘から仕分けてください。
【ステップ3】修正してAIに再レビューさせる
指摘に沿って修正したら、直したコードをもう一度AIに渡して再レビューしてもらいます。
先ほどの指摘を踏まえて修正しました。
修正後のコードに問題が残っていないか、再度レビューしてください。
[修正後のコードを貼り付け]
この一往復を挟むだけで、直したつもりが別の問題を生んでいた、という事態にすぐ気づけます。
私の場合、1つのコードに対して2〜3回この往復を繰り返すことが多いです。
GitHub Copilotのようなエディタ統合型のツールを使うと、この往復をコードを書きながらその場で行えます。
慣れてきたら試してみてください。
詳しい使い方はGitHub Copilot入門でも解説しています。
AIコードレビューを使いこなすプロンプト例と活用シーン【5つ】
基本の使い方に慣れてきたら、目的別にプロンプトを使い分けると、AIコードレビューの効果はさらに上がります。

学習目的で使う場合のプロンプト
自分の書き方の癖や改善点を学ぶために、AIにレビューしてもらう使い方です。
以下のコードをレビューしてください。
指摘だけでなく、「なぜそう直すべきか」という理由も、初心者にわかるように説明してください。
[ここにコードを貼り付け]
理由まで聞くようにすると、同じミスを次から自分で避けられるようになります。
私も、最初の半年はほぼ毎回この聞き方でレビューしてもらいました。
おかげでコードの書き方そのものが変わっていくのを実感しました。
ポイント
指摘の理由まで聞く習慣をつけると、レビューが学習の教材に変わります。
バグ・セキュリティ観点で使う場合のプロンプト
動作上のバグやセキュリティ上の弱点がないかを重点的にチェックしてもらう使い方です。
以下のコードを、バグとセキュリティの観点でレビューしてください。
特に、入力値の検証漏れ、SQLインジェクション、例外処理の抜けがないか重点的に確認してください。
[ここにコードを貼り付け]
観点をここまで絞り込むと、一般的なコメントではなく、実際にリスクのある箇所を狙って指摘してくれます。
ただし、AIが指摘しなかった箇所に脆弱性がまったくない、という保証はどこにもありません。
注意点
AIは見つけやすい種類の脆弱性に強い一方、指摘の見逃しもあります。外部公開する機能や決済まわりは、必ず人間の目でも再確認してください。
コーディング規約・可読性を確認する場合のプロンプト
チームやプロジェクトのコーディング規約に沿っているかを確認する使い方です。
以下のコードが、Googleの[言語名]スタイルガイドに沿っているか確認してください。
違反している箇所があれば、該当箇所と修正案をセットで教えてください。
[ここにコードを貼り付け]
規約の名前をはっきり指定すると、AIはその基準に沿って一貫した指摘を返してくれます。
チーム開発では、レビュー前にこの一手間を挟むだけで、人間のレビュアーが規約違反の指摘に使う時間をかなり減らせます。
個人開発でも、将来チームに入ったときに困らないよう、早いうちから規約を意識しておくと後がラクです。
リファクタリング案を出してもらう場合のプロンプト
4つ目は、動いているコードをより読みやすく、保守しやすい形に整理してもらう使い方です。
以下のコードは正常に動作していますが、可読性と保守性を上げるためのリファクタリング案を提案してください。
提案ごとに、変更前と変更後の差分がわかる形で示してください。
[ここにコードを貼り付け]
差分がわかる形で出してもらうと、どこがどう変わったのかを一目で比較できます。
自分のコードの文脈に合っているかを必ず確認してから、提案を取り入れるようにしてください。
ポイント
リファクタリング案は複数案を出してもらい比較すると、自分のプロジェクトに合う形を選びやすくなります。
テストケースの漏れをチェックしてもらう場合のプロンプト
5つ目は、書いたコードに対して、想定しているテストケースに漏れがないかを確認してもらう使い方です。
以下の関数に対して、現在どんなテストケースが必要か洗い出してください。
正常系だけでなく、境界値や異常系のケースも含めてリストアップしてください。
[ここにコードを貼り付け]
正常系のテストは思いつきやすい一方、境界値や異常系は見落としがちです。
AIにケースを洗い出してもらってから実装すると、テストの抜け漏れがぐっと減ります。
ポイント
テストケースは境界値・異常系を含めて洗い出してから書き始めると、後からのバグ修正が減ります。
AIコードレビューを使うときの注意点
AIコードレビューは便利な反面、使い方を誤ると逆に手戻りを増やしてしまうこともあります。
ここでは、以下の内容について詳しく解説します。
AIコードレビューを使うときの注意点
- 指摘を鵜呑みにしない
- 機密情報・社外秘コードの取り扱いに注意する
- 無料プランの制限を理解しておく
指摘を鵜呑みにしない
AIの指摘は自信満々な言い回しで返ってくることが多く、つい正しいと思い込んでしまいがちです。
Stack Overflowの開発者調査によると、AIが生成する内容の正確性を信頼すると答えた開発者はわずか29%でした。
前年の40%から低下しているというデータです。
実際、私自身もAIの指摘を鵜呑みにして直したら、元のコードのほうが正しかった、という経験が何度もあります。
指摘の理由に納得できるかを自分の頭で確認する、この一手間を省略しないようにしてください。
納得できない指摘は、遠慮せずAIに「なぜそう判断したのか」を聞き返してみましょう。
機密情報・社外秘コードの取り扱いに注意する
業務で書いたコードをAIに渡す前に、会社の利用ルールを確認しておく必要があります。
APIキーやパスワード、個人情報を含んだコードをそのまま貼り付けてしまうと、外部に情報が渡るリスクがあります。
チャット形式のAIツールの多くは、入力内容を学習データに利用しない設定を用意しています。
業務で使う前に、必ずその設定を確認してください。
注意点
APIキー・パスワード・個人情報が含まれるコードは、必ず伏せ字にしてからAIに渡すようにしてください。会社の情報セキュリティ規定がある場合は、そちらを優先してください。
無料プランの制限を理解しておく
多くのAIツールには無料プランがありますが、1日に送れるメッセージ数やコードの文字数に上限があります。
大きなファイルを丸ごとレビューさせようとすると、無料プランの上限にすぐ引っかかることも珍しくありません。
まずは無料プランで使用感を試し、日常的に使うようになってから有料プランを検討する、という流れがムダのない進め方です。
料金プランの比較や無料枠の詳しい制限については、AIコーディング初心者の費用相場で詳しく解説しています。
AIコードレビューの使い方に関するよくある質問
Q:AIコードレビューだけで人間のレビューは不要になりますか?
A:現時点では不要になりません。AIは命名や典型的なミスの指摘が得意ですが、ビジネス要件との整合性など文脈判断が必要な部分は、人間の確認が引き続き必要です。
Q:無料で使えるAIコードレビューはありますか?
A:ChatGPTやClaude、GitHub Copilotなど、多くのツールに無料プランが用意されています。まずは無料プランでコードを貼り付けて試し、使用感を確認するのがおすすめです。
Q:どのプログラミング言語でもAIコードレビューは使えますか?
A:主要な言語であればほとんど対応しています。特にPythonやJavaScriptは学習データが豊富なため、指摘の精度も比較的高い傾向があります。
Q:AIの指摘が正しいかどうかわからないときはどうすればいいですか?
A:「なぜその指摘が必要なのか」を理由まで聞き返してみてください。理由に納得できない場合は、別の言い方で聞き直すか、公式ドキュメントで裏付けを取ることをおすすめします。
Q:AIコードレビューの結果はチームのレビュールールに組み込んでもいいですか?
A:組み込んで問題ありません。ただし、AIの指摘をそのままマージ条件にするのではなく、あくまで一次チェックとして扱い、最終的な承認は人間のレビュアーが行う形にしておくと、事故を防ぎやすくなります。
まとめ
AIコードレビューは、観点を絞って渡し、指摘に優先順位をつけ、直して再レビューする、この3ステップさえ押さえれば誰でも今日から使えます。
学習・バグ検出・規約確認・リファクタリング・テスト設計と、目的に合わせてプロンプトを使い分ければ、活用の幅はさらに広がります。
ただし、指摘を鵜呑みにせず、最終的な判断は自分で下すという姿勢だけは忘れないでください。
次に自分のコードをレビューしてもらうとき、あなたはどんな観点をAIに伝えますか。
