生成AIが書いてくれたコード、動いてはいるけど中身は正直よくわからないの?
コードの読み方を身につけて、AIの提案を自分の目で判断できるようになりたい!
生成AIにコードを書いてもらうこと自体は、もうすっかり当たり前になりました。
ただ、出てきたコードをコピーして貼り付けるだけで、中身を読めないまま使っている方も多いと思います。
この記事では、生成AIが書いたコードを初心者でも読み解けるようになる方法と、AIへの質問の仕方までまとめて解説します。
この記事でわかること
- 生成AIのコードが読めないと感じる3つの原因
- 生成AIのコードを読み解く5つのステップ
- 生成AIにコードの意味を説明してもらうプロンプト例
- コードが読めるようになった後に気をつけたいポイント
生成AIコードが読めないと感じる理由
生成AIが書いたコードを見て固まってしまうのは、読み方を知らないだけで、才能や適性の問題ではありません。
ここでは、以下の内容について詳しく解説します。
生成AIコードが読めないと感じる3つの原因
- 変数名・関数名が英語で意味を掴みにくい
- 制御構文のブロック構造が見えない
- コード全体の処理の流れがつながらない
変数名・関数名が英語で意味を掴みにくい
生成AIが書くコードには、calculateTotalPriceやisValidのような英語の変数名・関数名が並びます。
英語が苦手だと、この時点で読む気が失せてしまう方も少なくないと思います。
ただ、意味を掴むコツは単語をすべて覚えることではありません。
calculate(計算する)・is(〜かどうか)・get(取得する)といった動詞の意味だけ先に押さえると、名前から役割を推測できるようになります。
私も最初はcalculateTotalPriceを見て身構えましたが、「calculate=計算」「Total=合計」「Price=価格」と分解した瞬間に、合計金額を計算する処理だとわかりました。
知らない単語が出てきたら、その場でAIに「この変数名の意味を教えて」と聞くだけで十分です。
生成AIにコードを書いてもらう基本的な流れはAIコード生成の使い方入門でも解説しているので、書き方から知りたい方はあわせてご覧ください。
制御構文のブロック構造が見えない
if文やfor文が入れ子になっているコードを見ると、どこからどこまでが1つのまとまりなのか、わからなくなることがありますよね。
実はPythonもJavaScriptも、インデント(字下げ)の深さがそのまま「まとまりの範囲」を表しています。
同じ深さの行は同じグループ、深くなった行はその1つ上の行の中身、というルールだけ覚えておけば十分です。
文字を読む前に、まずインデントの段差だけを目で追うと、複雑に見えるコードも「大きな箱の中に小さな箱が入っている」ような構造だとわかってきます。
慣れないうちは、コードエディタが表示するインデントのガイド線を目印にするのもおすすめです。
コード全体の処理の流れがつながらない
1行1行の意味はなんとなくわかるのに、全体で何をしているのかがつながらない、という声もよく聞きます。
これは、部分を読む力と全体を読む力が別のスキルだからです。
おすすめは、コードを「入力・処理・出力」の3つに分けて眺める方法です。
何を受け取って(入力)、何をして(処理)、何を返すか(出力)の3点だけ先に確認すると、細かい行を読む前に全体像がつかめます。
この3分割の視点は、次の章で紹介するステップの土台にもなります。
生成AIコードを読み解く5つのステップ
ここからは、私が実際に使っている、生成AIのコードを読み解く5つのステップを順番に紹介します。

【ステップ1】変数名・関数名から役割を推測する
最初のステップは、コード全体を読む前に、変数名と関数名だけをざっと拾い読みすることです。
userNameやtotalCountのような名前を拾うだけで、ユーザー名を扱っているんだな、件数を数えているんだな、と当たりがつきます。
この段階では、処理の中身まで理解する必要はありません。
名前から役割を推測するクセをつけるだけで、後の工程がぐっと楽になります。
推測が外れていても大丈夫です。次のステップで実際の処理を追えば、答え合わせができます。
ポイント
最初から正確に理解しようとせず、名前だけで仮説を立てるところから始めると、コードを読むハードルがぐっと下がります。
【ステップ2】インデントでブロックのまとまりを把握する
名前で当たりをつけたら、次はインデントの深さを目で追って、コードの塊を把握します。
if文の中、for文の中というように、同じ深さの行をひとまとまりとして扱うと、コード全体が入れ子の箱のように整理されて見えてきます。
Pythonはインデントそのものがブロックのルールですが、JavaScriptは中括弧「{ }」が範囲を示すため、言語によって目印が違う点だけ意識してください。
ネストが3段階以上になっているコードは、初心者にとって特に読みにくいポイントです。
一番深いブロックから先に理解すると、外側の構造が後から自然につながります。
ポイント
ネストが深くて混乱したときは、一番内側の処理だけを先に読むと、全体の見通しが立てやすくなります。
【ステップ3】上から下へ処理の流れを追う
名前とブロックの見当がついたら、実際に上から下へ、変数の値がどう変化していくかを追いかけます。
このとき、紙やメモに変数名と現在の値を書き出しながら追うと、頭の中だけで処理を追うより理解が早まります。
私は今でも複雑な処理に出会うと、変数の状態をノートに書き出しながら1行ずつ確認しています。
すべての行を均等に読む必要はありません。値が変わる行と条件分岐だけに注目すれば、流れは十分に追えます。
ポイント
変数の値がどう変わるかをメモしながら追うだけで、頭の中だけで理解しようとするより格段に読みやすくなります。
【ステップ4】わからない箇所だけAIに質問する
全体を眺めてもわからない部分が残ったら、その部分だけをコピーしてAIに質問します。
コード全体を丸ごと貼り付けて「説明して」と聞くと、情報量が多すぎて、逆に理解しづらい回答が返ってくることがあります。
「このif文の条件式が何を判定しているか教えて」のように、範囲を絞って聞くのがコツです。
注意点
AIの説明はわかりやすい反面、断定的な言い回しになりがちです。説明を鵜呑みにせず、実際にコードを動かして確認するところまでをセットにしてください。
【ステップ5】実際に動かして結果を確認する
最後のステップは、読んで理解したつもりの処理を、実際に動かして答え合わせすることです。
print文やconsole.logを使って、途中の変数の値を表示させながら実行すると、頭の中の理解と実際の動きのズレにすぐ気づけます。
読解と実行を往復することで、次に似たコードを読んだときのスピードが目に見えて上がっていきます。
読めた気がする、で止めずに、動かして確認するところまでを1セットにしてください。
生成AIにコードの意味を説明してもらうプロンプト活用術
自分で読み解く力がついてきたら、次はAIへの質問の仕方そのものを磨いていきましょう。

1行ずつ日本語で説明させる聞き方
コード全体をまとめて説明させると、要点だけがぼんやり返ってきて、結局どこがわからないのか自分でも整理できなくなります。
そこで私がよく使うのが、1行ずつ日本語で説明してという聞き方です。
次のコードを1行ずつ、初心者にもわかる日本語で説明してください。専門用語を使う場合は、その都度かんたんな言い換えも添えてください。
[ここにコードを貼り付け]
この聞き方に変えるだけで、どの行の説明に自分がつまずいているかが一目でわかるようになります。
Pythonでの聞き方の実例はChatGPTでPythonコードを解説してもらう聞き方3選でも詳しく紹介しています。
エラーメッセージを一緒に渡して原因を聞く
コードが動かないときは、エラーメッセージだけを見て自力で悩むより、コードとセットでAIに渡してしまうのが早いです。
貼り付ける際は、エラーメッセージの全文とエラーが出た周辺のコードの両方を含めるようにしてください。
以下のコードを実行すると、次のエラーが出ます。原因と修正方法を教えてください。
【エラーメッセージ】
[ここにエラー全文を貼り付け]
【該当コード】
[ここにコードを貼り付け]
エラーメッセージの一部だけを省略して貼ると、AIも見当違いの回答をすることがあるので、全文を渡すことを徹底してください。
エラーが出たときの聞き方はAI学習のエラーを解決する7つのコツでさらに詳しく解説しています。
「なぜこの書き方をしたのか」を掘り下げて聞く
コードが読めるようになってきたら、何をしているかだけでなく、なぜその書き方を選んだのかまで聞いてみましょう。
同じ処理でも書き方は何通りもあり、AIがその書き方を選んだ理由には設計上の意図が隠れていることが多いです。
このコードで、〇〇の処理をこのやり方で書いた理由を教えてください。他に書き方があれば、その違いとメリット・デメリットも教えてください。
この質問を重ねていくと、単にコードが読めるだけでなく、コードの良し悪しまで判断できる目が育っていきます。
ポイント
「なぜこう書いたのか」を聞く習慣をつけると、コードを読む力が設計を判断する力へと自然につながっていきます。
生成AIのコードが読めるようになると変わること・気をつけたいこと
コードが読めるようになると、生成AIとの付き合い方そのものが変わってきます。
ここでは、以下の内容について詳しく解説します。
生成AIコードが読めると変わる3つのこと
- コピペからレビューできる段階に進める
- 生成AIの提案を鵜呑みにしない判断軸を持てる
- 読めないコードは動かさないという注意点
コピペからレビューできる段階に進める
読めないままコピペしていた頃は、AIが出したコードをそのまま信じるしかありませんでした。
読めるようになると、この処理は要らないな、ここはもっとシンプルにできそうだ、と自分の判断でコードを直せるようになります。
私自身、この段階に来てから、AIとのやり取りが「お願いする」から「一緒に作る」感覚に変わりました。
ポイント
コピペからレビューへ移る一番の近道は、小さなコードから自分の手で直してみる経験を積むことです。
生成AIの提案を鵜呑みにしない判断軸を持てる
AIは自信満々に間違ったコードを提示してくることが、実際にあります。
読む力がないと、その間違いに気づく手段がありません。
読解力は、AIの提案を鵜呑みにしないための最後の砦だと私は考えています。
正しそうに見える説明ほど、一度立ち止まって自分の目で確認する価値があります。
読めないコードは動かさない
どれだけAIが便利でも、意味のわからないコードをそのまま実行するのは避けてください。
特に、ファイルを削除する処理や外部にデータを送信する処理が含まれている場合、内容を理解しないまま実行すると、取り返しのつかないトラブルにつながることがあります。
注意点
ファイル削除・外部送信・システム設定の変更が絡むコードは、必ず内容を理解してから実行するようにしてください。よくわからない場合は、先に「このコードで危険な処理はありますか」とAIに確認する習慣をつけましょう。
生成AIコードの読み方に関するよくある質問
Q:生成AIが書いたコードは全部理解してから使うべきですか?
A:全部を完璧に理解する必要はありません。処理の目的と、ファイル削除や外部送信のようなリスクのある処理が含まれていないかさえ確認できれば、実務では十分なケースがほとんどです。
Q:プログラミング未経験でも生成AIのコードは読めるようになりますか?
A:読めるようになります。変数名の意味とインデントの見方という2つのルールさえ押さえれば、未経験者でも今日から取り組める内容です。
Q:どの言語のコードから読む練習を始めるのがおすすめですか?
A:PythonかJavaScriptがおすすめです。どちらも生成AIが最も得意とする言語で、書き方の情報や解説も豊富に見つかります。
Q:AIに聞いても納得できる説明が返ってこないときはどうすればいいですか?
A:質問の範囲を狭めるか、「初心者にもわかるように」「専門用語を使わずに」と条件を加えて聞き直してみてください。それでも解決しない場合は、別のAIツールに同じ質問をしてみるのも有効です。
まとめ
生成AIが書いたコードが読めないのは、才能ではなく手順を知らないだけです。
変数名から役割を推測し、インデントでブロックを把握し、上から下へ流れを追う。
わからない部分だけをAIに質問し、最後は実際に動かして答え合わせをする。
この5つのステップを繰り返すうちに、AIの提案をただ受け取るだけでなく、自分の目で判断できる感覚が育っていきます。
次にAIがコードを書いてくれたとき、あなたはどこから読み始めますか。
