COBOLファイル編成の基本!3つの種類と使い分けをやさしく解説

2025年4月9日水曜日

COBOL

COBOLを学び始めたばかりだと、専門用語に「うっ…」ってなることもありますよね。特に「ファイル編成」なんて言葉、名前からしてちょっとカタそうで、一体どんな仕組みなのかピンとこないかもしれません。

でも大丈夫! COBOLが今でもたくさんの会社で使われているのには、ちゃんと理由があるんです。その理由のひとつが、データを効率よく扱うための工夫、つまり「ファイル編成」の知識だったりします。

この記事では、COBOLのファイル編成でよく使われる代表的な3つの種類、「順編成」「相対編成」「索引編成」について、それぞれの仕組みや得意なこと、苦手なこと、そしてどんな場面で活躍するのかを、肩の力を抜いて読めるように、やさしく解説していきます。

この記事を読むと、こんなことが分かります!

  • COBOLのファイル編成って何なのか、基本的な考え方
  • 代表的なファイル編成3種類(順・相対・索引)のそれぞれの仕組み
  • 各ファイル編成のメリットとデメリット
  • どんな時にどのファイル編成を選べばいいかわかる

COBOLファイル編成とは?種類を知る必要性

さて、本題の「ファイル編成」についてお話ししましょう!

ファイル編成とは、ものすごく簡単に言うと、ファイルの中のデータを、どんなルールで並べて、どうやって出し入れ(読み書き)するか、その方法のことなんです。

イメージしてみてください。本棚に本をしまうとき、ただ空いてるスペースにどんどん詰め込む方法もあれば、作者のアイウエオ順に並べる方法、ジャンル別に分ける方法など、いろいろな整理の仕方がありますよね? 

ファイル編成も、データという本をファイルという本棚にどう整理するか、という考え方に似ています。

じゃあ、なんでCOBOLでファイル編成の種類を知っておく必要があるんでしょうか?

それは、データの使い方(全部まとめて処理したいのか、特定の一つだけサッと見つけたいのか、など)によって、得意な整理方法、つまりファイル編成が違うからです。

適切なファイル編成を選ばないと、

  • プログラムの処理がものすごく遅くなっちゃう…
  • プログラムを作るのがやけに複雑になる…
  • ディスクのスペースを無駄遣いしてしまう…

なんてことが起こりかねません。だから、COBOLでデータをうまく扱うためには、ファイル編成の種類とそれぞれの特徴を知っておくことが、とっても役に立つんですよ。

COBOLファイル編成の種類①:順編成ファイル (Sequential File)

まずは、一番シンプルで基本となる「順編成ファイル」から見ていきましょう!
名前の通り、とっても素直なファイル編成です。

順編成ファイルの仕組みと特徴

順編成ファイルは、データをレコード(データのひとかたまり)単位で、ファイルの一番最初から順番に、隙間なく記録していきます。

読み出すときも、原則として一番最初のレコードから順番に読んでいきます。

まるで、カセットテープみたいですね! A面から順番に再生していって、途中の曲を聴きたくても、早送りや巻き戻しが必要な感じです。

【順編成ファイルのイメージ】
[レコード1] → [レコード2] → [レコード3] → [レコード4] → ...
(データが順番に連なっているだけ!)

特別な目印(キー)などはなく、データが物理的に格納されている順番が全て、というシンプルな構造が特徴です。

順編成ファイルのメリット・デメリットと用途

このシンプルさが、順編成ファイルのいいところでもあり、ちょっと不便なところでもあります。

メリット

  • 仕組みが単純明快で分かりやすい!
  • ファイルを作るのも、データを先頭から全部読み出すのも速い!

デメリット

  • ファイルの途中にある特定のレコードだけを直接読み書きするのが苦手…(先頭から順番に探す必要がある)
  • レコードの途中に新しいデータを挿入したり、内容を更新したりするのがちょっと面倒(基本的にはファイルを作り直すことになる)

じゃあ、どんな時に使われるかというと、

  • プログラムの動作記録(ログファイル)
  • 印刷するためのデータ
  • 一度に全部のデータを処理するバッチ処理の入力ファイルや出力ファイル

みたいに、全件を順番に処理するなら得意中の得意なんです。データの流れ作業に向いているファイル編成ですね。

COBOLファイル編成の種類②:相対編成ファイル (Relative File)

次に紹介するのは「相対編成ファイル」です。

順編成ファイルとは違って、ちょっとした工夫でデータにアクセスしやすくしています。

相対編成ファイルの仕組みと特徴

相対編成ファイルでは、ファイルの中のレコードが入る場所(スロット)に、あらかじめ「相対レコード番号」という通し番号(1番、2番、3番…)が割り振られています。

データを書き込むときは、この番号を指定して書き込みます。読み出すときも、番号を指定すれば、その場所のデータを直接読み出すことができるんです。

イメージとしては、番号が決まっているロッカーみたいな感じでしょうか。 5番のロッカーに荷物を入れたら、次に取り出すときも5番を指定すればすぐに取り出せますよね。

【相対編成ファイルのイメージ】
(1番) [レコードA]
(2番) [レコードB]
(3番) [ (空き) ]
(4番) [レコードD]
...
(番号を指定して直接アクセス!)

ただし、使わない番号の場所は、空き地のままディスクスペースを占有してしまう可能性がある、という特徴もあります。

相対編成ファイルのメリット・デメリットと用途

番号で直接アクセスできるのが、相対編成ファイルのポイントです。

メリット

  • 相対レコード番号が分かっていれば、特定のレコードにめちゃくちゃ速く直接アクセスできる!

デメリット

  • どのデータを何番に入れるか、レコード番号を管理する仕組みがプログラム側で必要になる。
  • 番号が飛び飛びで使われると、ディスクに未使用領域ができて、ちょっともったいない感じになる。
  • レコードの中身(例えば社員名とか)でデータを探すことはできない(あくまで番号でのアクセス)。

どんな場面で使われるかというと、

  • レコードを入れる場所の番号自体に意味がある場合(例えば、1月のデータを1番に、2月のデータを2番に入れる、みたいなケース)
  • ファイルのサイズがそれほど大きくなく、とにかく番号で素早くアクセスしたい場合

など、少し限定的な場面で活躍します。レコード番号さえ分かれば、ピンポイントで高速アクセス!というのが強みですね。

COBOLファイル編成の種類③:索引編成ファイル (Indexed File)

さあ、3つ目は「索引編成ファイル」です。

多くのCOBOLプログラム、特に企業の基幹システムなどで、ものすごくよく使われているファイル編成なんですよ。

索引編成ファイルの仕組みと特徴

索引編成ファイルは、レコードの中に「キー項目」と呼ばれる特別な項目(例えば、社員番号や商品コードなど)を設定しておきます。

そして、そのキー項目の値を使って、目的のレコードがファイルのどこにあるかを探し出して、直接アクセスできるようにしているんです。

これはまさに、分厚い本の巻末にある「索引(さくいん)」と同じ仕組みですね! 知りたい単語(キー項目)が何ページ(レコードの場所)にあるか、索引を見ればすぐに分かります。

【索引編成ファイルのイメージ】

[索引(インデックス)部分]     +     [データ部分]
・キー「100」→ データAの場所      [データA (キー:100)]
・キー「105」→ データCの場所      [データB (キー:120)]
・キー「120」→ データBの場所      [データC (キー:105)]
  ...                            ...
(キーを頼りにデータを探し出す!)

索引編成ファイルは、データ本体とは別に、この索引(インデックス)という情報を持っているのが特徴です。

おかげで、キーの値さえ分かれば、広いファイルの中からでも目的のデータを素早く見つけ出せるんですね。

索引編成ファイルのメリット・デメリットと用途

索引編成ファイルは、順編成と相対編成のいいところを併せ持っているような、とても便利なファイル編成です。

メリット

  • キー項目を使って、特定のレコードに高速でランダムアクセスできる!
  • キー項目の順番通りに、ファイルをシーケンシャル(順次)に読み出すこともできる!
  • データの追加、更新、削除が比較的簡単にできる。

デメリット

  • 仕組みが他の編成よりちょっと複雑。
  • 索引(インデックス)を管理するためのディスク容量や処理の負荷(オーバーヘッド)が余分にかかる。

どんなところで使われているかというと、もう、本当にいろいろなところで大活躍です。

  • 会社の「顧客マスタ」や「商品マスタ」のような、基本となるデータ(マスタファイル)
  • オンラインシステムで、画面から入力されたキーで、すぐにデータを探して表示したり、更新したりする処理

など、キーを使ったアクセスも、順番に処理することもできる万能選手として、多くの業務システムで採用されています。

一目でわかる!COBOLファイル編成3種類の比較と選び方

さて、ここまで3つのファイル編成を見てきました。ここで、それぞれの特徴をざっくりと比較して、どんな時にどれを選べばいいかの目安を整理してみましょう!

順編成ファイル

  • アクセス方法:先頭から順番にしかアクセスできない(シーケンシャルアクセス)
  • キー:不要
  • 更新:ちょっと苦手(ファイルごと作り直すのが基本)
  • 得意なこと:全件まとめて読み書きする処理
  • 選び方の目安:「とにかく全部のデータを順番に処理したい!」という時

相対編成ファイル

  • アクセス方法:レコード番号を指定して直接アクセスできる(ランダムアクセス)
  • キー:不要(レコード番号で管理)
  • 更新:番号を指定して直接更新できる
  • 得意なこと:番号が分かっているレコードへのピンポイントアクセス
  • 選び方の目安:「レコード番号でデータを管理していて、その番号で素早くアクセスしたい!」という時

索引編成ファイル

  • アクセス方法:キーを指定して直接アクセス(ランダムアクセス)も、キーの順番通りにアクセス(シーケンシャルアクセス)もできる
  • キー:必須
  • 更新:キーを指定して直接更新・追加・削除ができる
  • 得意なこと:キーを使った様々なアクセス(検索、更新、順次処理)
  • 選び方の目安:「特定のキーでデータを探したり更新したりしたいし、時には順番に処理もしたい!」という、多くの業務システムの要求に応えたい時

こんな感じで、「データにどうやってアクセスしたいか」を一番に考えると、どのファイル編成が合いそうか見えてきますね!

【まとめ】COBOLファイル編成の種類を理解してデータ活用へ

今回は、COBOLの主要なファイル編成、「順編成」「相対編成」「索引編成」の3種類について、それぞれの仕組みや特徴、使い分けを見てきました。

ポイントをもう一度おさらいすると、

  • 順編成は、シンプルにデータを順番に並べる方式。全件処理が得意!
  • 相対編成は、レコード番号で直接アクセスする方式。番号での高速アクセスが魅力!
  • 索引編成は、キーを使って柔軟にアクセスする方式。ランダムもシーケンシャルもこなす優等生!

でしたね!

ファイル編成を理解することは、COBOLのプログラムがなぜそのように作られているのかを読み解く助けになりますし、自分でプログラムを作る際にも、データの性質に合った効率的な処理を考える上で欠かせません。

難しく感じたかもしれませんが、それぞれの基本的な考え方さえ押さえておけば大丈夫! これでファイル編成の基本はバッチリです。自信を持って、COBOLの学習をさらに進めていってくださいね!

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